損害保険会社のシミュレーションページや、自動車保険一括見積りサービスのホームページで入力が必要となる「免責金額」。
保険料のシミュレーションでこの項目が問われるということは、その金額によって保険料が上下するということを意味します。
当然保険料は安い方が良いに決まっていますが、そのために肝心の補償が不十分になってはいけませんよね。
そこで今回は、自動車保険の「免責」について、保険料への影響から、実際に保証を得るときの注意点まで解説します。
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保険
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免責を付けると、車両保険の保険料が節約できる!

免責は車両保険を付けるときに問われる
自動車保険の契約時に登場する「免責」。
普段はあまり耳にしない言葉ですよね。
この免責をどう設定するかが問われるのは、自動車保険の一部である車両保険においてです。
自動車保険を契約する際に、車両保険は必ずしも組み入れなければならないものではありません。
その点で、事故相手に支払う賠償金を保障する、対人賠償や対物賠償とは異なります。
車両保険は、事故などの際に契約者自身の自動車が破損したときに、その修理費を補償してくれる保険です。
「事故など」ですので、事故の外にも盗難やいたずらの被害、自然災害による被害の場合にも利用できます。
免責分は保険金が支払われない!
それでは、免責とはどういう意味なのでしょうか。
実はこの言葉の主語は損害保険会社となります。
つまり、損害保険会社が保険金支払いの責任を免れることができるということです。
ようするに、契約者は免責金額分の保険金を受け取ることができません。
例えば自損事故を起こして自動車の修理費が50万円かかるとしましょう。
車両保険を利用して保険金を請求しても、その免責金額が10万円であったなら、支払われる保険金は次のようになります。
修理費50万円-免責金額10万円=保険金額40万円
こう考えると、免責が付くと、さらには免責金額が高いほど、契約者にとっては損だと感じられるのではないでしょうか。
免責金額を付けるほど、保険料は下がる
しかし、免責金額が高いほど損だというのは、自動車保険の一面のみをとらえた見方だと言わざるを得ません。
なぜなら保険は、保険会社が背負う保険金支払いリスクが大きければ大きいほど、契約者が支払う保険料が高くなるものだからです。
つまり免責金額が高いほど、車両保険の保険料は抑えることができるのです。
今回代表としてとりあげるのは、イーデザイン損保の自動車保険。
車両保険以外の条件は、以下のように設定しました。
- 契約者=運転者:30歳男性、運転免許証はブルー、本人のみ運転、6E等級
- 保険証券を発行しない(ペーパーレス割引利用)
- 車種:トヨタ プリウス(ZVW52),初度検査年月は平成30年3月
- 使用目的:主に日常・レジャー
- 対人対物賠償保険金:無制限(対物超過修理費用補償特約を付加)
- 人身傷害保険金:3000万円
- 無保険車事故傷害保険金:2億円
- 弁護士費用等補償保険金:300万円
免責金額 | 保険料年額 | 差額 |
---|---|---|
0万円-0万円 | 11万9750円 | – |
5万円-5万円 | 9万6210円 | 2万3540円 |
10万円-10万円 | 8万7430円 | 3万2320円 |
いかがでしょうか。
年間保険料にして3万円以上の差が、免責金額によって生じるのです。
免責金額は「5万円-10万円」というふうに表される
ところで、イーデザイン損保では車両保険の免責金額は5パターンから選ぶことができます。
保険料が高額となる順に「0万円-0万円」「0万円-10万円」「5万円-5万円」「5万円-10万円」「10万円-10万円」となるのですが、これはいったいどういう意味なのでしょうか?
これは、左側の数字が1回目の事故の免責金額を、右側の数字が2回目以降の自己の免責金額をそれぞれ表しているのです。
1回目と2回目以降で別々の免責金額を選べるということですね。
なおこの表記法はイーデザイン損保に限らず他の損害保険会社でも同様です。
ただし、選べる免責金額のパターンは損害保険会社によって異なるので、気を付けましょう。
免責金額を選ぶときの注意点は?

相手がいる事故では、免責があっても自己負担が無いことも多い
それでは、実際に自動車保険に加入するときには免責金額をどのように設定すれば良いのでしょうか。
保険料が高額になるのは誰だって避けたいですが、保険料を下げればいざというときに修理費の自己負担が発生してしまいますから、悩ましいですね。
しかし、実は免責金額があっても修理費を自己負担しなくても良いケースもあるのです。
それは、相手のいる事故で、事故相手からの賠償金が発生した場合です。
相手から支払われたお金はまず免責金額に充てられることになるので、得られた賠償金額が免責金額を超えた場合、自分の車の修理費の自己負担は実質ゼロになるのです。
こう考えると、免責金額0万円にこだわる必要は薄れるのではないでしょうか。
事故に遭っても、保険金を請求しないこともある
さらに、免責金額を選ぶときに念頭に置いておくべきことがあります。
それは自損事故などで自動車が破損しても、実際には保険金を請求しないケースが多いということです。
なぜなら、保険金を請求すると等級が下がってしまうからです。
これは事故の内容によるのですが、3等級または1等級のダウンとなるのです。
さらに等級は同じ数字でも、「事故有等級」と「無事故等級」に分かれており、当然後者の方が保険料は低く設定されています。
なお3等級ダウン事故を起こした人が「無事故等級」に復活できるのは、3年間後。
例として、現在の8等級の人が3等級ダウン事故を起こしたとしましょう。
もし保険金請求をしなければ、翌年は「無事故等級」の9等級。
しかし保険金を受け取ると、翌年は「事故有等級」の5等級にまで落ちてしまうということです。
この保険料の差は、「事故有等級」となる3年間だけでも10万円を超えることがしばしば。
それなら、免責金額を最大(イーデザイン損保なら「10万円-10万円」)にしておいて、保険料の差額を免責金額分まで自分で積み立てておいた方が、合理的だと言えるのではないでしょうか。
免責金額を選ぶときにも、一括見積りサービスを利用しよう!
しかし、実際自分の等級から3等級ダウン・1等級アップでどのくらいの保険料の差が生じるのかは、シミュレーションしてみなければわかりません。
もちろんその差額は損害保険会社によって差があります。
また前述のように、選べる免責金額のパターンも損害保険会社によってまちまち。
ですから、20社ほどの損害保険会社の自動車保険からシミュレーションができる、一括見積りサービスの利用がおすすめです。
一括見積りサービスでご自身の等級を入れ直せば、実際にどのくらい保険料が変わるのかを実感することができるでしょう。